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まちで生きる、まちが変わる




2021年10月、 親しい友人夫婦が写っている写真が載った

DMを手につくば市民ギャラリーに向かった。

開催されていた写真展「ほにゃら」では、

まちで「自立生活」をはじめた

障害者の人たち自身と

彼らが日常の中で出会った人たちを

写したポートレートが展示されていた。


「ほにゃら」という

何ともつかみどころのないタイトルは

重度身体障害者による当事者団体

「つくば自立生活センター ほにゃら」

からとっているのだと、展示を見て納得した。


同じつくばに住んでいながら

障害のある人たちが自ら運営している

こういう団体があることを

写真展を見て初めて知ることになった。


写真展の主催者であり

自らも介助スタッフ兼イベントカメラマンとして

現在も「ほにゃら」で活動しているのが

写真家・ジャーナリストの柴田大輔さん


5年の歳月を「ほにゃら」で共に歩んできた

柴田さんはその活動を通じて出会った 障害者の人たち、介助者、障害者の親、

さまざまな人たちとの対話を続けながら

取材を積み重ねてきた。こうして柴田さんが 丁寧にすくい上げた当事者たちの声は

今年の2月、1冊の本にまとめられた。


「まちで生きる、まちが変わる。」この本では

かつて世間では困難だと思われていた

「自立生活」を、つくばというまちで、

障害者が自らの手で、少しづつ環境を整えながら

実現していくまでの過程を日本における

障害者運動の歴史も踏まえながら伝えている。


障害者の人たちが味わってきたこれまでの苦悩と

「自立生活」を始めて得られた幸せと充実感

その親たちが抱えてきたジレンマと願い

「自立生活」を支える介助者の真摯な思いと

障害者とのオープンで対等な関係性まで

当事者一人一人の人間像を解像度高く描いた

ドキュメンタリーである。


※「自立生活」

障害の重さにかかわらず、

いつ、どこで、誰と、何をするのかを

自分で決めて生活すること

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