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ザ・ソングライターズ

  • 執筆者の写真: Ken
    Ken
  • 8月26日
  • 読了時間: 3分


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図書館から借りた

厚さ5.5cmもある1冊の本

「ザ・ソングライターズ」佐野元春


佐野さんが出演していた朝の情報番組で

紹介されているのをたまたま見て

手にすることになったこの本からは

たくさんの気づきをもらった。

(これからもきっともらうだろうと思う。)



今から遡ること16年前の2009年1月から

佐野さんの母校である立教大学で

文学部100周年記念事業の一環として

「ザ・ソングライターズ 音と言葉の創作ノート」

と題した公開講座が行われた。


講座は佐野さん自身が企画したもので

内容は、第一線で活躍しているゲストを招いて

佐野さんと「ソングライティングとは何か?」

をテーマにまず濃密な対話を重ねていく。

そして、その対話を踏まえて

聴講生も交えたワークショップで即興的に

詩作から作曲まで実践してみる

というものだった。


講座はNHKによって番組化されて

「佐野元春のザ・ソングライターズ」

として同年7月から4シーズンにわたって

ETVで放映されて大きな反響を呼んだ。


この講座で毎回行われた、

佐野さんと23組のゲストとの対話パートの

アーカイブを番組の最後の放送から10年を経て

あらためて再編してまとめたのが

この本「ザ・ソングライターズ」である。


読み進めていく中でとても驚かされたのが

23組のゲストそれぞれ異なる個性と

それらを育んだ原点に迫ろうとして

佐野さんが臨機応変に繰り出す

質問の的確さと柔軟さだった。


共通していたのは、ゲスト自身の

幼少期から思春期まで遡ること。

語られたエピソードを踏まえて、佐野さんから

さらに幾つかの問いかけをしていく。

どんどん対話は深まっていって

読者は、そのゲストの表現者としての「核」

にまで触れたような感覚になる。

自然、そのゲストの創作した曲を聴き

詩を読んでみようと誘われる。


佐野さん自身の言葉を引いてみよう。


『ポップ・ソングとは、言ってみれば、

世間からのこの'FAQ'(頻繁に問われる質問事項)

に対する、少しだけ気の利いた回答 なのだと思う。』

『多くのソングライターたちが、

日常のささやかな関心事から、宇宙規模の

哲学的な関心事まで、この時代に暮らす人々の

あらゆる関心事に沿って、言葉と音楽を 紡いでいる、ということだ。』※1


この本は、決して表現者だけのものではない。

むしろごく普通に暮らしている我々が

日々感じる生きづらさや苦悩

今さら真正面から聞けない疑問に対する

生きるヒント、佐野さんの言葉を借りればFAQが その厚さ5cmにたっぷり詰まっている

文字通りの宝箱のような本だと思う。


図書館への返却日は明日

数日後には、真新しい1冊が届く予定である。



※1

論文・ソングライティングについて

1995年9月

掲載 / THIS FALL 1995 Vol.1

NO.4「ハートランドからの手紙 #90」より

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